仙台訓練センター便り

【2010年8月30日更新】
訓練士エッセイシリーズ/第13回
「知ってる?普及啓発活動って」

 「ハーネスをつけている時はお仕事中です。犬に直接声をかけるのではなく、ハーネスを持っている“人”に声をかけてください。」というルールや「盲導犬と歩く時は、目的地までの道順を頭の中で描いてから歩いているのです」という盲導犬との歩き方など、盲導犬について色々と紹介する活動があります。それが、日本盲導犬協会が訓練以外で行っている活動の一つ「普及啓発活動」です。これは、みなさんに盲導犬の正しい知識や理解を持っていただき、盲導犬ユーザーがより快適に歩行できるようになるための活動です。そこで前に少し紹介したPR犬が大活躍します。実際にハーネスをつけて歩く様子をお見せしたり、ふれあいをすることで、盲導犬を広く皆さんに知っていただく一役をかうのです。

 他にも盲導犬育成のための募金活動に行ったり、みなさんの学校に行ってお話ししたり、企業や団体などに出向いて盲導犬の受け入れのセミナーを開いたりもします。実際に盲導犬と歩行をしている盲導犬ユーザーも会場に行き、生活のこと、盲導犬と出会う前と後のこと、視覚障がいのことなど様々な事を多くの人に伝えることも行っています。これらの活動には、やはり多くのボランティアの存在が欠かせません。ボランティアの大きな力に支えられながら「盲導犬」がみなさんに広まってきているのです。

 もし盲導犬について知らないお友達がいたら、「盲導犬はこうやって歩いたり、生活したりしているんだよ〜」とおしえてあげてくださいね。

企業での普及啓発活動写真
企業の講演会で活躍するPR犬、大切な仕事です


【2010年8月18日更新】
訓練士エッセイシリーズ/第12回
「キャリアチェンジ

 たのしモードで「盲導犬に関すること」を続けて書いてきていますが、皆さん、盲導犬についていろいろ知識が増えてきたころでしょう。では、ここで一つ質問です。十匹の訓練犬がいたら、そのうちの何匹が盲導犬としての道を歩むか分かりますか?

 正解は、三匹か四匹です。ということは、約六匹の犬は盲導犬ではない道を歩むことになります。このような犬たちをキャリアチェンジ犬と呼びます。犬が生まれ持った性格や健康面で盲導犬には向いていないなど、さまざまな理由でキャリアチェンジと判断します。

 例えば、どうしても鳥や猫が気になり作業に集中できにくいという性格だったり、怖がりでいろいろなものにビックリする性格だったりすると、パートナーである盲導犬ユーザーと安全に歩行することが難しいので、盲導犬には向かないと判断されます。また、ひじやひざの関節が強くないなど、体質を考慮した場合も同じです。

 では、盲導犬としての道を歩まなかった犬たちはどうなるのでしょう?

 盲導犬にならなかった理由は個々に違うので、その個性にあわせた新しい家族に迎えられ過ごします。ほとんどの場合、家庭犬という道を歩みます。

 犬を家庭犬として迎え飼育する人を、キャリアチェンジ犬飼育ボランティアといいます。他に盲導犬のお仕事を紹介するPR犬として、活動する犬もいます。盲導犬出ない道を歩んでも、それぞれが幸せに過ごすのです。

キャリアチェンジ写真
見学会で体験歩行をする参加者とPR犬

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【2010年7月21日更新】
訓練士エッセーシリーズ/第11回
「ぼく、盲導犬にならないよ」

 たのしモードで「盲導犬に関すること」を続けて書いてきていますが、みなさん、盲導犬については色々知識が増えてきたころと思います。

 では、ここで1つ質問です。
10頭の訓練犬がいたら、そのうちの何頭が盲導犬としての道を歩むか知っていますか?

 正解は、3頭から4頭です。

 ということは、約6頭の犬は盲導犬ではない道を歩むことになります。
このような犬たちをキャリアチェンジ犬と呼びます。犬が生まれ持った性格や健康面が理由で盲導犬には向いていない場合にキャリアチェンジと判断する場合が多いです。

 たとえば、どうしても鳥や猫が気になり作業に集中できにくいという性格の犬は、パートナーである盲導犬ユーザーと安全に歩行することが難しいので、盲導犬には向かないと判断されます。また、肘や膝の関節が強くないなど体質を考慮した場合も同じです。

 では、盲導犬の道を歩まなかった犬はどうするのでしょう?
 ほとんどの場合、家庭犬という道を歩みます。盲導犬にならなかった理由は個々に違うので、その個性にあわせた新しい家庭に迎えられ過ごします。

 他にも、盲導犬の素質のある犬で盲導犬の候補となる子犬の親である繁殖犬にキャリアチェンジして活躍する場合もあります。さらに、盲導犬のお仕事を紹介するPR犬として盲導犬の普及啓発活動をするという場合もその1つです。どの道を歩んでもそれぞれが幸せに過ごすのです。


【2010年7月7日更新】
訓練士エッセーシリーズ/第10回
「たのしモード」

 今までは、盲導犬の訓練について、お話してきました。今回と次回は、日本盲導犬協会でおこなっているもうひとつの仕事、「視覚障害リハビリテーション」についてお話したいと思います。

 皆さんは「リハビリテーション」と聞くと、例えばスポーツ選手がけがをしたあとに、けんめいに手や足を動かして、もとどおり動けるようにがんばる姿を思い浮かべるかもしれませんね。「視覚障害リハビリテーション」とは、それとはちょっと違います。見えなくなった眼を再び見えるようにすることはできませんが、「見る」かわりに、耳で聞いたり、手でさわったりして、見えない・見えにくい中で少しでも暮らしやすくするために練習することを言います。

 例えば、ちょっと眼をつぶって考えてみましょう。見えなくなると、どんなことが不便になるでしょう。買い物をする時…ご飯を食べる時…本を読む時…勉強する時…学校へ行く時…。いろいろなことが思い浮かびますね。見えなくなると、なんにもできなくなってしまうのでしょうか?

訓練風景の写真

 答えはNOです。眼をつぶって、耳をすましてみてください。どんな音が聞こえますか? 手を伸ばして、机の上をさわってみてください。どこに、どんなものが置いてありますか? 学校の理科室と工作室は、違うにおいがしませんか?

 普段は、とても便利な「見ること」に気を取られ、「聞くこと」「触ること」への注意が薄らいでいますが、よく気をつけて音を聞き、物をさわってみると、いろいろなことが分かってきます。車が通り過ぎる音は、どんなことを教えてくれるでしょう? 

 十円玉と百円玉の違いはどこにありますか? 最初はイメージできなくても、練習をつみ重ねることで、見えなくてもできることが増えていきます。
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【2010年6月21日更新】
訓練士エッセーシリーズ/第9回
「のんびり過ごそうね」

 1頭の盲導犬と視覚障害者が一緒に歩き、生活を共にするのは約8年間です。ある人は、盲導犬との8年間はあっという間で短かったと言い、ある人はのんびり過ごせて長く感じたと言います。盲導犬はそれぞれ家族のような存在となり、歩行のお手伝いをして8年間過ごします。そして、約10歳で盲導犬はお仕事を引退(終了)します。 

 なぜ約10歳で引退すると思いますか? 死ぬまで歩けるだけ一緒に歩かないの?と思う人もいるでしょうか?
盲導犬はユーザーの歩行を安全にサポートするため、健康であることが欠かせません。ですので、病気にかかりやすい年齢になる前に引退させるというのがその理由です。

 盲導犬は引退すると、盲導犬ユーザーのもとを離れ『引退犬飼育ボランティア』という新しい家族のところにいきます。それが元パピーウォーカーである場合も多くあります。また「盲導犬の里 富士ハーネス」の引退犬棟で仲間の引退犬たちと過ごす犬もいます。

 引退犬棟には、テレビや台所、シャワールームなどがあり、一般的な家庭とほとんど変わらない生活を送れるようになっています。昼は散歩をしたり木漏れ日のあたる暖かい場所でお昼寝したりします。また、夜は一緒にスタッフが泊まり、日々ゆったり暮らします。時には元ユーザーが会いに来ることもあります。

 盲導犬は引退してから天寿を全うするまでも、愛情をいっぱいに受け過ごしていくのです。

引退犬の写真

【2010年6月7日更新】
訓練士エッセーシリーズ/第8回
「ユーザーってなんだろう?」

 「このグッズとても役立つわよ」「あそこの店は入りやすかった?」
ユーザーが集まると時間を忘れるほどおしゃべりに夢中になり、とても楽しそうな雰囲気でいっぱいです。ユーザーとは盲導犬と歩行する視覚障害者のことを言います。

 「ユーザー」と一言にいっても、実はそれぞれ目的や環境が違います。例えば散歩、お買い物、通勤など、盲導犬と歩きたいと思ったきっかけ。盲導犬と歩くまで待っていた期間。また、歩く場所は住宅地なのか、街中なのか、電車やバスの利用があるのか、などなど…。盲導犬ユーザーと盲導犬との生活の形は、千差万別です。それは、一人一人の年齢や住んでいる場所、盲導犬との歩行でやりたいことなどが異なるからです。

 これは当たり前のことですよね。学校のクラスをよーく見渡してみてください。生活や趣味、夢や性格などが全く同じお友達はいませんよね。今まであなたが歩いてきた道と全く同じ道を進んできた人はいないのです。

 盲導犬ユーザーは、一人一人が「盲導犬と歩いて○○したい」という希望を持ち、今盲導犬と歩いています。楽しく生活するために、ユーザー同士で便利な情報のやり取りをしながら、盲導犬とともに歩んでいるのです。たとえ目的がそれぞれ違っても『盲導犬ユーザー』として、それはそれは楽しそうに・・・


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【2010年5月12日更新】
訓練士エッセーシリーズ/第7回
「二人六脚のスタート」

 盲導犬と歩くために、視覚障がい者と候補犬が一緒に訓練することを共同訓練といいます。初めて盲導犬ユーザーになる人は、約二週間、訓練センターに泊まり、続いて約二週間、自宅周辺などでの現地訓練をします。共同訓練では覚える事がたくさん!ストレートゴー(真っ直ぐ進め)やカーブ(段差)など、歩くために必要な命令語。餌のあげ方や排便の仕方などの犬の生活のこと。ほかにも、法律についてや犬の健康管理についてなど、講義も受け学びます。


 実はこの文章を書いている今、私は共同訓練の指導の真っ最中!はじめは命令語を声に出すことすら苦手だった方が、最終週には、自信を持って命令しながら、楽しそうに候補犬と歩く光景が目の前にあります。担当訓練士にとってこの姿を見ることはとてもうれしく、充実した瞬間です。

 「盲導犬との歩行」を『候補犬』『視覚障がい者』『盲導犬訓練士』が「共同」作業で作り上げるのが共同訓練です。もうすぐ私の担当している共同訓練は終わります。けれど、盲導犬ユーザーにとっては、まさに「はじまり」です!二人六脚で盲導犬との歩行、生活を送っていくことでしょう!

 そして、デビューして約八年後、盲導犬は引退します。その日、「盲導犬と歩いて幸せだった」と盲導犬ユーザーが感じられるような共同訓練を行うことが、私たち盲導犬訓練士の大きな目標の一つです。


【2010年4月21日更新
訓練士エッセーシリーズ/第6回
「目標に向かってゴー!」


 街中では、訓練犬にハーネスという白い胴輪をつけて「盲導犬に必要な作業」を教えていきます。目標はもちろん、「見えない人、見えにくい人の歩行を安全にサポートする」です。この大きな目標に向かって何も知らない訓練犬の街での訓練は始まります。


 最初の小さな目標は、「訓練をしている担当者がアイマスクで歩行できる」です。それは横断歩道の段差や自転車などの障害物を意識できるようになること。それには前回書いたように、「グッド」という言葉は欠かせません。「ゴー!グッド!グッド!」とリズムよく歩くなかで、訓練の方法をいろいろ変えながら、犬にどうやったら伝わるのかを訓練士が考えて教えていきます。


 そして三ヶ月後に作業テストを行います。ここではこの先、盲導犬を目指して訓練を続けたほうが良いのかどうかを評価します。テストを通過すると、次に、「担当者以外がアイマスクをして歩行できる」という二つ目の小さな目標を目指します。これはいつでも誰とでもどこででも、きちんと作業ができるかどうかを確認するためです。


 さらに電車に乗ったり、にぎやかな所を歩いたりして、盲導犬ユーザーとの歩行を思い描きながら訓練を続けます。二回目の目標のテストでは、ユーザーが「ゴー!」と命令をかけて快適に歩くには、何が足りないのかも確認します。

 このような日々を積み重ねて、盲導犬としてのデビューの日が近づくのです。

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【2010年4月7日更新
訓練士エッセーシリーズ/第5回
「グゥーード!!」 

 パピーウォーカー(子犬を飼育するボランティア)のもとから訓練センターへ帰ってきたら、盲導犬を目指して訓練がスタートします。愛情たっぷりに育った犬たちは、人と遊んだり、人に新しいことを教えてもらったりするのが、大好き!

 シット(すわれ)、ダウン(ふせ)、ウェーイト(まて)などの命令語を「できたらほめる」、「できたらほめる」、と繰り返して、教えます。無理やり座らせたり、伏せさせたりしても、犬がいやいやでは継続してその行動をとることはできません。ですから、楽しく教えていくことがとても大切です。みなさんも、楽しくほめられながら勉強や仕事をするほうがやる気もでますし、進む気がするでしょう。

 ところで盲導犬の訓練では、ほめるときに、「グッド」という言葉を使います。訓練センターでは訓練士の「グッド!」、「グッド!」という声がよく聞こえてきます。犬も「グット」といわれるとうれしそうに訓練をします。しかし、訓練犬たちがみんな同じように学んでいけるかというとそうではなく、得意なこともあれば、不得意なこともあります。それに犬それぞれの性格も違いますし、学ぶ能力も異なります。

 私たち訓練士にとって、一頭一頭の犬にあった訓練方法を考えて訓練をすることはとても大事です。次のステップである街中での訓練も、同じく犬それぞれにあわせた訓練になります。でも「グッド」という言葉は一緒です!

 次回は街中でどのような訓練をするかご紹介します!


【2010年3月24日更新
訓練士エッセーシリーズ/第4回
「パピーウォーカー〜」

 「頑張ってね!」「楽しかったよ」とみんなが笑顔で迎えるパピーウォーキング修了式。修了式はパピーウォーカーの家族からの卒業式。そして、訓練を始めるため訓練センターへの入学式!

 生後二ヶ月の子犬とパピーウォーカーとのそれぞれの生活が始まり、修了式までの間、約十ヶ月間過ごします。パピーウォーカーは、月一回訓練センターで行われるパピーレクチャーに子犬とともに参加し、お家での過ごし方、散歩の仕方、ウンチやおしっこのルールなど、訓練士とパピーウォーカーが一緒に練習していきます。

 このレクチャーで習ったことを実行していくことはパピーウォーカーの役割として大切なことです。でも、もっともっと大事な役割がパピーウォーカーにはあります。それは、家族全員が子犬に愛情いっぱいで接してもらうことです。そうすることで子犬は「人が好き!」「人と一緒に生活するのは楽しいんだ!」ということを学んでいきます。

 修了式では、家族と楽しく過ごしてきたということが私達訓練士にも十分に伝わってきます。なぜなら、パピーウォーカーと一緒にいるだけで、嬉しそうで、声をかけられればみんな尻尾をぶんぶん振って顔を見上げる犬たちがそこにいるからです。

 みなさんもパピーと十ヶ月過ごして「人が好き!」な犬を育ててみませんか。

【2010年3月12日更新

訓練士エッセーシリーズ/第3回
「誕生」 (繁殖〜誕生〜について)
ミーミー!盲導犬のたまごたちの誕生!

 
産まれてまだ目も開かない子犬たちはお母さんに近づこうと必死です。犬のきょうだいはだいたい六匹ぐらい。きょうだいそろってお乳を飲んで、おなかいっぱいになったらお母さんやきょうだいたちとくっついて寝ます。それはそれは、ほほえましい光景です。

子犬の食事写真

 子犬が産まれてから、お母さん犬は子犬を育てるためにしっかりした顔つきに変わります。そのお母さんは、骨など体が丈夫で健康な必要があります。もちろんお父さんも健康でないといけません。そして、お父さん犬もお母さん犬も、盲導犬に向いている性格を持っている犬が選ばれます。おうちで飼われている犬みんなが、盲導犬のお母さんやお父さんにみんななれるのではないのです。

 選ばれたお母さん犬、お父さん犬から生まれた子犬たちは、繁殖犬飼育ボランティアのおうちや盲導犬訓練センターで過ごします。繁殖犬飼育ボランティアとは、お母さん犬やお父さん犬を飼うというお手伝いをすることです。お母さん犬を育てるボランティアのおうちでは出産を行うこともあります。

 産まれた子犬は日に日に、目が開き、耳が聞こえるようになり、歩けるようになっていきます。約二ヶ月間、きょうだいやお母さんと仲良く過ごし大きく成長して、その後それぞれの道を歩み始めます。

 次回は、お母さん犬やきょうだいと離れ、新しい家族とともに過ごすパピーウォーカー時代(約十ヶ月)を紹介します。
お楽しみに!


【2010年2月24日更新
訓練士エッセーシリーズ/第2回
「行きたい時に、行きたい場所へ」

 スーパーに買い物に行きたいな。友達に会いに行きたいな。散歩がしたいな。電車に乗って旅行がしてみたいな。おいしいお料理屋さんに出かけたいな。一人で出かけたいな・・・・

 あなたが、もし盲導犬の使用者になったら、どこに盲導犬と行きたいですか?「行きたい場所」は人それぞれだと思います。盲導犬ユーザーが盲導犬と一緒に歩く目的も人それぞれです。しかし、どの盲導犬も役割は一緒です。盲導犬の大きな役割は「目の見えない、見えにくい人が行きたいときに行きたい場所へ行くことができるように、お手伝いをする」ということです。

 お手伝いとは、道の端を歩き、角や段差を教えたり、障害物をよける、といったことです。

 では、盲導犬に「スーパーにゴー(行け)」といったらスーパーへ、「郵便局へゴー」と言ったら郵便局へ行くでしょか?いいえ、盲導犬はスーパーや郵便局へは行けません。盲導犬ユーザーが郵便局までの道のりを頭の中に描き、三つめの交差点を右に曲がるなど盲導犬に指示を出して歩くのです。

仙台定禅寺通りを歩くユーザーの写真

 また、盲導犬は「目の見えない、見えにくい人がいますよ」ということを周囲の人に知らせるという役割もになっています。ほかにも、盲導犬には盲導犬ユーザーにとって、あたたかなぬくもりが心の支えになるなどという役割もあるのです。

 盲導犬の代表的な役割を紹介しましたが、ほかにはどんな役割があるか、みなさん想像してみてくださいね。

【2010年2月10日更新】
訓練士エッセーシリーズ/第1回
「出会い」

盲導犬、白杖(目の不自由な方が使う白い杖)、手引き(人の手を借りて行う誘導)などは何のためにあると、みなさんは思いますか?これらは「見えない、見えにくい」状態で、行きたい時に行きたい場所に歩いて行くための方法です。その中の一つ、盲導犬を中心にみなさんに紹介していきます!

みなさんは、今までに何人の「家族」と出会いましたか?学校のお友達やそのお父さんお母さんたち、お隣のおばちゃんなど…きっと両手では数え切れないぐらい、いろんな「家族」に出会ってきたと思います。

盲導犬はどうでしょうか。盲導犬のたまごたちは、生まれたとき繁殖犬飼育ボランティアに出会い、生後二ヶ月ごろからパピーウォーカーという子犬を育てるボランティアに出会います。一歳ぐらいから訓練センターで訓練士に、盲導犬としてデビューする二歳位から盲導犬ユーザー(使用者)、そして十歳ぐらいで引退し、引退犬飼育ボランティアに出会うのです。それぞれに「家族」のように大切にされて盲導犬は一生(犬生)を過ごします。盲導犬も一生の中で、両手では数え切れない位たくさんの人に出会うのです。

もし、みなさんが盲導犬と街で出会ったら、多くの人たちの「家族」のような愛情に育まれた盲導犬なんだな・・・と見守ってください。また盲導犬にかかわることを書くのでお楽しみに!

訓練士と訓練犬の写真
【筆者プロフィール】山賀 綾乃(やまが あやの/写真左)
1987年生。(財)日本盲導犬協会 仙台訓練センター 訓練事業課 盲導犬訓練士
2008年3月(財)日本盲導犬協会付設盲導犬訓練士学校卒業後、現職。一頭でも多くの盲導犬を育成するため、毎日訓練に取り組んでいる。

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【2010年1月14日更新】

特別見学会「スペシャルデイ」 12月20日(日)

 今回は「目が不自由なこと」をテーマに開催しました。
 午前中は参加した方全員がアイマスクをつけたままで、白杖歩行・盲導犬歩行・手引き歩行・ゲームなどに挑戦しました。食事体験や弱視体験に加えてPR犬の実演や施設見学も行いました。

  また、「ららちゃんサンタ」が夢をかなえるという企画で「盲導犬と一緒に歩きたい」という小学生の夢が実現し、一緒にスペシャルデイを楽しみました。
参加者全員の写真



盲導犬歩行体験の写真


【2009年11月11日更新】

「第7回さくまつり」

秋といえば「○○の秋」
皆さんは○○にどんな言葉が入るでしょうか?
食欲、読書、スポーツ、芸術・・・

 仙台訓練センターの周りには綱木地区という農家の集落があり、毎年「収穫の秋」にちなみ作物の収穫を祝う「さくまつり」を実施しています。今年も11月1日に仙台訓練センターをメイン会場として、「第7回さくまつり」が盛大にとりおこなわれました。

チアリーディングの写真
小さいながら気迫のチアリーダー

 いつもは広すぎると感じる駐車場も、この日ばかりはもっと広ければいいのにと感じさせる程の賑わいをみせます。芋煮・焼そば・焼き鳥販売、秋刀魚やホタテ、イカの炭火焼き、わたあめ、チャリティバザー、支援センターグッズ、野菜販売等のテントが立ち並びました。駐車場の真ん中には巨大なハシゴ車が登場。はしご乗りなど体験乗車もおこなわれ、大勢の人たちがセンターに集まりました。

 ステージでは地域の踊りや太鼓演奏、小さな子どもたちのチアリーディングなど見ごたえ十分。とりわけ協会の犬たちが参加する「一発芸大会」も大好評!飛び入りで参加した人は、うまく犬とコミュニケーションが取れない場面もありましたが、会場のあちらこちらから笑いを誘いました。

 施設の中では視覚障がいリハビリテーションの体験コーナーを設けました。、音声パソコンによるゲームや点字名刺体験に、興味しんしんで挑戦する子どもたちの姿が新鮮でした。

 今年も各地から多くの盲導犬ユーザー(13頭)の参加がありました。パピーウォーカーやPR犬・キャリアチェンジ犬飼育ボランテアなど盲導犬に係わる人たちも、支援者の方々も、実り多き秋の一日を思い思いに楽しく過ごしました。来年もまたお会いできることを願って見送ると、ちょっぴり日焼けした笑顔が振り返り、何度もうなずいていました。

仙台訓練センター センター長 細井隆一

ユーザー・PR犬集合写真
ユーザー・PR犬が勢ぞろい



消防ハシゴ車の写真
地上25mからの眺めはいかが?
チャリティーバザー写真
チャリティーバザーは大賑わい
一発芸を披露する押野ウエ―ヴ
(チェアをあごで教えます)

炭火焼の写真
売れ切れ御免の帆立・イカ・サンマ

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【2009年10月27日更新】

視覚に障がいのある小学生がいろいろなことにチャレンジする、「ワン!ぱくっ子サマースクール」が
8月7日から9日までの3日間で行なわれました。

参加者集合写真

 今年の参加者は、小学校1年生、4年生、そしてふたりの5年生の子どもとご家族、あわせて12名です。

 1日目は、まず、仙台訓練センター内をひとりで移動できるように練習しました。それから翌日のおやつを買いに、センター隣のコンビニへ。子どもたちはお菓子がどのように陳列されているかを確認しながら、決まった金額内で多くのお菓子を買おうと頭をひねります。

 買い物を終えると、盲導犬との歩行体験とゲーム大会です。まずは「盲導犬に指示を出して歩く」練習です。ふたり一組でひとりがユーザー、ひとりが盲導犬の役となり、ユーザー役が「ストレート!」「ライト!」という指示を出し、盲導犬の役がその通りに誘導します。みんなだんだん上手になって、実際に盲導犬と一緒に歩く時には、かっこ良く指示を出して歩くことができました。ゲーム大会では盲導犬グルーミング対決!どちらのチームが多くの抜け毛を集めることができるか、ブラシをかける人も抜け毛を集める人も必死でがんばります。「犬ってこんなに毛が抜けるんだー!」と、ちょっとビックリでした。

 2日目もあいにくの雨。ここはひとつ気分を変えようと、朝の体操教室で体を動かします。体操の先生の楽しいトークとゲーム感覚の運動で、気分はスッキリと晴れました!

 午前中はボーリング大会です。2つのチームに分かれて、お父さん・お母さんもアイマスクをしてボーリングに挑戦しました。結果、1位と2位の差は、なんと1本!1位のチームは豪華(?)景品をゲットしたのでした。

 お昼を食べたら地下鉄に乗ってアーケード街へ移動です。そう、8月8日は仙台七夕祭りの最終日なのです。アーケード街のきれいな七夕飾りと、ものすごい人、人、人…。七夕飾りに触り、飾りがどんな物かを確かめます。人ごみに流されるようにアーケード街を歩き、ちょっぴりお疲れの子どもたちでした。しかしワンぱくっ子たちのエネルギーは衰えません!センターに帰ってきてからのフリータイムでは、小学1年生のT君が3年前に東北楽天ゴールデンイーグルス前監督の田尾さんご夫妻から寄贈された電子オルガンで、素敵な演奏を披露してくれました。美しい「オーラリー」のメロディーに聴いていた全員が聞きほれました。

 最終日。早起きをして霧雨が降る中、センター隣の「松倉造園」さんの畑で、夏野菜を収穫させてもらいました。真っ赤なトマトや大きなナスなど、みんな抱えきれないほど収穫しました。続いて電子レンジを使ってココアケーキ作りです。材料と分量をみんなで分担して覚え、「砂糖はどのくらい入れるの?」「大さじ3だよー」とお互い協力します。材料を混ぜ合わせ、電子レンジで、チン!タッパの半分くらいほどだったココアケーキが、加熱したあとはタッパいっぱいに膨らみました。完成したココアケーキはちょっぴりほろ苦い大人の味。低学年の子どもたちには前日に大人たちがアイマスク体験で作った、甘いカスタードクリームのほうが嬉しいようでした。

 あっと言う間だった3日間。イベントばかりでなく、子どもたちは食後のテーブル拭きや布団敷きと片付け、身支度なども自分でできるようにがんばりました。お父さん・お母さんも、子どもたちが寝たあとの懇談会でたくさんお話をしました。「3日間でわが子の背中がたくましくなった」とおっしゃったお母さん。同じ場所にはいるけれど、チームや寝る部屋が違うので、いつもとは少し違った子どもの様子が見られたようです。

 短い期間でしたが、子どもたちはせいいっぱいプログラムをがんばり、新しくできた友達と仲良く遊びました。そして、いろいろな体験を通し、自分で出来ることが少し増え、その分、少し大人になりました。「楽しかった、また来たい!」「来年はパラグライダーで飛びたい!」と、来年への参加にも意欲的です。仙台訓練センターでは来年度も「ワン!ぱくっ子サマースクール」を実施予定です。お楽しみに!!

 来年度につきましては詳細は決まっていませんが、案内をご希望の場合は、仙台訓練センターまでご連絡先をお知らせください。


【2009年9月11日更新】

第21回短期視覚障がいリハビリテーション

短期視覚障がいリハビリテーションとは、視覚に障がいのある方を対象に、短期間センターに宿泊して歩行訓練やコミュニケーション訓練、日常生活訓練などを行うものです。

21回目となる今回は7月27日から1週間、参加者は13歳から21歳までの学生、男女3名ずつの計6名でした。

さて、短期視覚障がいリハビリテーションの内容は?

白杖歩行と調理がしたい!という方には白杖歩行と調理がメイン、パソコンでメールがしてみたい!という方にはパソコンでメール送信の時間を・・・と、プログラムは個々の希望に応じて組み立てられます。

包丁を使ってりんごの皮むきに挑戦したり、なかなか使えなかった白杖の使い方を覚えたり。「自信がついた」という感想もありました。

バスにも乗ってみようと、営業所に行って時間をかけてバス乗降の練習をしました。
バスの乗車口の横にはマイクがついていて「仙台駅に行きますか?」なんて質問すると運転手さんに聞こえます。すると、横のスピーカーから運転手さんが「行きますよ、どうぞ」と返事が返ってきます。
バスにもいろいろなタイプの車両があって、乗降口の段差が高いもの、ないものもあります。降りるときに押すボタンもいろいろなところにありますよね。それを探してじっくり触って確認しました。

また、今回は伊豆沼に行き、ブルーベリーを摘み取り、ムース作りにも挑戦しました。
ブルーベーの摘み取り写真
挑戦したのはそれだけではありません。前日にはみんなでお弁当の中身を考えて、分担して買い物をして、実際にみんなで作ってみましたそれはそれは豪華なお弁当が完成!

それぞれが、自分にできること、やってみたいことなどを考えて行い、大いに楽しみました。あまりの楽しさで、帰りの電車では皆さん居眠りをしていました。

普段は接点のない6名ですが、この1週間の短期視覚障がいリハビリテーション中に仲良くなりました。それも楽しみの一つです。

視覚に障がいのある方が宿泊し、それぞれのニーズに合わせた訓練を集中的に行っているのが、この短期視覚障がいリハビリテーションです。次回は12月に実施しますので、興味のある方はぜひご連絡ください。

        訓練事業課 リハビリテーション 菅原美保

白杖歩行の写真
白杖歩行
バス乗車練習の写真
バス乗降の練習
ムースづくり写真
ムース作りにも挑戦

【2009年8月12日更新】

犬の訓練を見てみたい!

体験歩行してみたい!

訓練犬に会いたい!

子犬に会いたい!

現役盲導犬に会いたい!

施設を見学したい!

盲導犬ユーザーと話したい!

パピーウォーカーと話したい!

訓練士に興味がある!

そのような要望にお応えしようと、夏休みを利用して参加できる見学会を開催しました。

7月と8月に実施した夏休み見学会では、総勢300名を越える皆さんが参加。様々な体験をしました。

生後3ヶ月の子犬とふれあいでは、

「意外と重い。」「あったかい。」「肉球が柔らかい。」と色々な声が聞かれ、犬と成犬とを見比べることもでき、犬たちの成長の早さに驚きの声もあがりました。

実際に見て、触れてこそ分かる感動があったようです。

また、仙台市内の盲導犬ユーザーの盲導犬との生活で楽しいこと困ったことなどのお話、パピーウォーカーの子犬との奮闘記など、普段聞けないお話で、大変参考になったとの声が聞かれました。

アイマスクの体験企画も数多くありました。

盲導犬体験歩行では、人が地図をイメージしながら歩く難しさや犬への指示の出し方に苦戦しながらも、盲導犬が障害物を避けて安全に誘導することを実感していかれました。

また、触覚を頼りに答えを予想する物当てクイズや、アイマスクの食事体験も行われ、このような体験を通じて「目が見ないとはどういうことなのか」理解を深める絶好の機会でした。

次の見学会は12月から3月まで月2回のペースで実施される予定です。

是非、一度仙台訓練センターで犬達と楽しい1日を過ごしてみませんか?

                普及推進課 加藤裕子

見学会のご案内はこちら

信頼関係の写真訓練は信頼関係から始まります
障害物を認識する写真 高さの障害物を認識します
体験歩行写真 体験歩行では「ぐ〜っど」とほめます


【2009年7月10日更新】

6月が終わり、早いもので1年の半分が過ぎました。
仙台の街は少しずつ暑くなってきましたが、梅雨を迎えたことで雨降りの日には時折肌寒いも日もあります。私たち訓練士の装いが完全に夏モードになるには、まだちょっと時期が早いでしょうか。

ところで皆さん、雨は嫌いですか?
犬にも水たまりを避けて通ったり、ジャンプしたりする犬がいます。自分の足が濡れるのが嫌なんですかね。でも、路面が全部濡れている雨の日は、避けようがないので頑張って歩いています。中には、雨の日も楽しそうに歩く犬もいます。外を歩くことが基本的に好きなんでしょう。

私は雨の日は嫌いではありません。
なぜなら、雨の日だからこそ、知ることが出来る犬たちの個性や特徴があるからです。「へぇ、君は水たまりをそうやって避けるの、意外だねぇ〜」というのがおもしろい。

梅雨が過ぎれば本格的な夏モード。まもなく、仙台の短い夏が始まります。

訓練課 根本 学


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